【日々雑感】大人の「自己肯定感」の育み方を考えて行き着いたのはまわりに感謝することだった【備忘録】

子どもだけではなく、大人の「自己肯定感」の育み方を考えていたら、結局まわりに感謝することが一番重要なんだという結論に行き着いた。

まわりに感謝することが「自己肯定感」を高め、幸福をもたらす

大人の「自己肯定感」を育てるには?

前回の記事で子どもの非認知能力の元になる「自己肯定感」を育てるには、その子をまるごとほめる言葉がけが重要なんだという結論に行き着いた。

今回はそこから派生して、大人の「自己肯定感」の養い方について考えてみた。

いろいろと考えてみて至ったのはすごくシンプルで当たり前のことだった。

自分を大事にするセルフコンパッション

本記事での「自己肯定感」の定義は、“ありのままの自分が十分に愛されていると(自分自身が)感じていること”

子どもに対してはその子をまるごと褒めるような言葉がけが大切なんだと分かっても、果たして大人に対してはどうだろうか?

身近な人やパートナーに対して、そういう言葉をかけることができるかもしれないが、どこか白々しいとか思っていないだろうか?

ましてや自分自身に対しては?

子どもの頃から、「しっかりしろ」とか「ルールに従え」とか「自分の行動に責任を持て」と言われて育ってきたせいか、他人や自分自身の悪いところや直したほうがいいところには簡単に気づくことができる。

他者批判もそうだが、自己批判に関しては大人になるとその技術はプロ級だ。

ずっとそういう風に訓練されてきたのだから仕方がない。

「ありのままなんてもってのほか、もっと努力して技術やスキルを磨いて競争に打ち勝たないと生き残っていけない」

そうした不安が原動力になって頑張っていることの方が経験的にも多いんじゃないだろうか?

しかし、そうした態度は自分自身をすり減らし、やがてはエネルギーがなくなって燃え尽きてしまったり、精神を病むことになりかねない。

もっと自分を大切にする、自分を思いやる気持ちが必要なのだ。

それが最近注目されている、セルフコンパッション(self-compassion)という概念だ。

スタンフォード大学の心理学者エマ・パッセラは著書でクリスティーン・ネフの研究結果を引用して、自分を思いやる方法について紹介している。

1.自分に優しくする

2.人間なのだから、誰しも失敗すると理解する

3.自分の心に気を配る

エマ・パッセラ著『自分を大切にする人がうまくいく スタンフォードの最新「成功学」講義』(2017,大和書房) P.212-213より抜粋

ここでは詳述を避けるが、当たり前のことと思わず、自己批判ばかりでうんざりしている人は上記の項目について考えてみてほしい。

自分に優しくして、自分自身が今どんな風に感じているかということに気を配ってあげないと、他人を傷つけてしまったり、極端な例として犯罪者になってしまうこともあるからだ。

過度な自己批判や反省は犯罪者を生む?

自分の中の寂しさや悲しみ、苦しみなどの感情をそのままにしておくと、傷ついた状態のまま過ごしていくことになる。

傷ついたままでは自分自身を大切にできなくなるし、自分を大切にできないと他人を大切にすることもできない。

臨床教育学者、岡本茂樹氏は過度な自己批判や形式的な反省が問題行動や犯罪をもたらすと説く。

殺人罪で刑務所に収監されている受刑者への面接を通して、彼らの問題点を次のよう述べている。

いずれにしても自分自身が傷ついているから、他者を傷つけられるのです。

自分の心の傷に気づいていない受刑者が被害者の心の痛みなど理解できるはずがありません。

彼らが被害者の心の痛みを理解するためには、自分自身がいかに傷ついていたのかを理解することが不可欠です。

それが実感を伴って分かったとき、受刑者の心に自分が殺めてしまった相手の心情が自然と湧き上がってくるのです。

そして、そのときこそはじめて真の反省への道を歩み出せるのです。(太字は筆者による)

岡本茂樹 著『反省させると犯罪者になります』(2013,新潮新書) P.128より引用

自分の心の傷に気がつかないままでいると他人を大切にできなくなる。

放っておくと、精神的にも肉体的にも他人を傷つけてしまいかねないし、極端な場合、法に触れる行為に及んでしまうこともあるのだ。

思い通りに行かないとき、何らかの失敗をしてしまったとき、あるいは人から攻撃されたとき。

悪いところばかりに目を向けて自己批判・自己否定をしていないで、傷ついた感情をちゃんと吐き出して、自分自身をしっかりケアしていくことが必要なのだ。

では自分を思いやるにはどうすればいい?

前述のパッセラの著作に戻ると、自分を思いやる上で壁になるのは、否定的なことばかりに注意を向けてしまいがちな気持ちにどう対抗するかだ。

そうした自己批判に走りがちな傾向に歯止めをかけるのが、感謝の念を抱くことだ。

感謝の念が、ポジティブな経験を意識させてくれ、自分のポジティブな面に目を向けさせてくれることで、ネガティブに偏りがちな嗜好のバランスをとってくれる。

幸福と成功に欠かせない、バランスのとれた視野を手に入れる助けとなってくれるのだ。

エマ・パッセラ著『自分を大切にする人がうまくいく スタンフォードの最新「成功学」講義』(2017,大和書房) P.216より引用

感謝することの大切さは、別の書評記事でも書いてきたし、それを実践することでわかったことも書いてきた。

▲感謝することがお金に振り回されない生き方をもたらす。
▲感謝を実践してみてわかったこと。

感謝の念を抱くことは、パッセラによって科学的にもその重要性が語られているし、他の著者も同様に語っている。

ブックライターの上阪 徹氏もその1人だ。

仕事に関することに限定されるため、少し文脈が異なるが、引用しておこう。

すべての仕事に「ありがとう」が潜んでいる。

どんな仕事も「誰かの役に立てること」をやっているからである。

誰かの役に立ち、ありがとうと言ってもらえることをしている。

このことに気づけば仕事は楽しくなる。

仕事人生はまったく変わっていく。

上坂 徹 著『人生で一番大切なのに誰も教えてくれない幸せになる技術』(2020,きずな出版) p.197より引用

他者に対しても、「ありがとう」の気持ちを向け、自分自身も「ありがとう」と言ってもらえることをしていることに気づく。

それが、ありのままの自分が愛されている、そのままで認められていると感じられることにつながっていくのだろう。

まとめ

大人の「自己肯定感」を育む方法について考えたことから、自分の弱さや負の感情をちゃんとケアしてあげることが重要で、そうして自分を思いやるためにも、まわりに感謝の念を抱くことが必要であることに行き着いた。

時間もない中、無理矢理に論旨を展開していった感じも否めないため、詳しく知りたい方は引用した文献に是非目を通して、自分なりに考えてみてほしい。

また、自分自身を思いやる方法や感謝の仕方についても、もっと具体的な手順を考えていきたい。

紹介した文献のチェックはこちら

この記事を書いた人

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のりさん

アラフォー世代で二児の父。
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